thunderbolt | 白昼堂々堂

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thunderbolt

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虹村市の女子高生・虹村雷には、ふたりお父さんがいる。

同性愛者が多く暮らすその町では、
おかしいことではない、と、学校で習った。
おかしいと感じてはいけない、と、みんなが言った。

だから虹村雷には、「ふたりのお父さん」との接し方が分からない。

「ふたりのお父さん」に与えられた野球は、
歯向かうための手段だったのかもしれない。
「ふたりのお父さん」に対してであり、
同性愛がまともなこの世界に対してであり、
それをまともではないと感じる、自分に対してであった。

雷のように、すごく高いところから飛び降りたいとずっと思っていた。
雷に打たれると、性別が変わることがあるという。
「ふたりのお父さん」を雷で打って、まともにしたかった。

弟は言った。
「『ふたりのお父さん』が異性愛者になったら、姉ちゃんは襲われるよ」
「僕が『ふたりのお父さん』に何もされていないとでも思ってた?」

同性愛者を異性愛者に変える薬をもらった。
でもそれを誰にどうやって使えばいいのか分からない。
世界をさかさまにする、意味を見出せない。
それは、その薬を飲むと、野球ができなくなるからなのか。
それとも、自分が惨めだったからなのか。

弟は言った。
「姉ちゃんは生理のとき、世界中を嫌うような匂いを漂わせてる」

日本シリーズ第七戦は、国民投票と同じ日だった。
過半数の賛成を得て改憲が決まれば、この国でも同性婚が認められることになる。
虹村雷は、投票に行くことはなく、日本シリーズのマウンドへ上がる。
あたかもその登板こそが、投票であるかのように。
「サンダーボルト」という、自分を定義する最強の変化球を携えて。

LGBTや全てのマイノリティを問うのではなく、答えるのではなく、語るのでもなく、
ただそこに生きた人々の群像を描く野球純文学。

弟は言った。
「僕は姉ちゃんを愛している」

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